トー横の美人局の実態とは─声かけ役は使い捨てだった若者搾取と金回収システムの闇

CASE

「これ、美人局だよ」

そう言われて、やっと理解した。

それまで自分は、ただ言われた通りに動いているだけだと思っていた。

最初は普通に声をかけるだけ。

警戒されないように雑談して、距離を詰める。どこにでもあるやり取りで、変なことをしている感覚はなかった。

でも、流れは最初から決まっていた。

ある程度話したところで、タイミングを見たように空気が変わる。

そこに別の男が入ってくる。偶然を装っているけど、明らかにそうじゃない。こっちの状況を分かっている動きで、そのまま話の主導権を持っていく。

この時点で、自分の役目は終わり。

あとは全部、その男がやる。

さっきまでの雑談は消えて、話は一気に現実的になる。内容は細かく決まっているわけじゃないけど、ゴールは一つ。その場で金の話に持っていくこと。

長引かせない。考えさせない。そのまま流れで押し切る。

金額は毎回違う。

相手の反応を見ながら決めていく感じで、取れるときは一回で大きく取れる。ダメなときはすぐ引く。無理に粘ると面倒になるからだ。

何回かやって分かったのは、一番動いてる人間が一番取るわけじゃないってことだった。

最初に声をかけてるのは自分なのに、取り分は思ったより少ない。

実際に手元に残るのは、だいたい1〜2割くらいだった。

残りは、途中で入ってくる男と、全体を回してる側に持っていかれる。

むしろ途中で入ってきて話をまとめる側や、全体の流れを知っている側が、配分を決めている。

つまりこのやり方は、動いている人間よりも、流れを握っている側が一番得をする構造になっている。

最初は一回きりの話だと思っていた。

でも違った。同じ流れが何回も繰り返される。

声をかける → 別の男が入る → その場で回収する。

やっていることは毎回ほとんど同じで、違うのは相手だけ。

だから後から言われて、やっと腑に落ちた。

「これ、美人局だよ」

トー横で回っている金の中には、こういう形もある。

売りやパパ活みたいに継続ではない分、一回ごとの金は動く。

でも結局、得をするのは決まっている。

最初から流れを作っている側だけだった。

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